ノーシスの道
(The Gnostic Way)


「ノーシス」という言葉はギリシャ語に由来し、「直観的な性質の知識、心霊的真実の直観的理解」という意味がある。 ノーシスは書物や講演によりたどり着ける知識ではなく、それよりもむしろ自分自身で真実を直接体験する事により得られる知識である。 ノーシスはしばしば魂の知識といわれ、知力を駆使して得られる知識とは著しく異なるものである。

ノーシスの実効性:

ノーシスの教えは体系と実践を含んでおり、それらによって教義の全ての側面を各々が個人的に確かめられる。 ノーシスは単に理論的なものではなく100%実用的なものである。 直接体験を通して我々は、信じる信じないの限界を超えて行く。 何故ならば、信じる事も信じない事も、どちらも無知に至るものでしかないからである。 ノスティックは、信じたり信じなかったり、認めたり拒んだりといった事よりも、自身が学んでいる概念の正当性を直接的方法でそれぞれ確認して行く。 この個人の内で証明するという行為は真の知識とその理解に導き、教えを単に知的、あるいは理論的に把握するのとは違ったものとする。 ノーシスを通じて人は個人的に真実を直接体験する事を学び、疑念と信念の戦いを終わらせ、内なる「真実」を「知る」ようになる。

取り扱われる主題:

ノーシスの教えは、大変幅広い秘教的学科から構成されており、それら全てはとても実用的な様式で提供されている。 学んでいる事柄を確認する為の実習が与えられるので、学徒は知識を直接的に体験する。 この教義の最終目的は、学徒が、意識の覚醒を通して完全な自己実現に到達する事である。 以下のリストはノーシスの教義として教えられ、実践される数多くの項目のほんの一部である。


総括の教え:

ノーシスは「総括の教え」と言われる。 何故ならば、過去と現在における全ての主要な宗教や秘教体系の最も重要な部分を、一つの教義に総括したものだからである。 しかしながらノーシスはそれらの宗教、秘教体系から派生したものではない。 ノーシスは全ての宗教や秘教体系の母胎となるもので、いかなる個人や団体の所有物ではない。 むしろそれは、時間を超越した永続的な知識である。

ノーシスの潮流:

ノーシスは、人類が地球上に出現してからずっと存在し続けている古代の知識体系の、現代版である。 この叡智は、神秘への参入という特権を得た奥義参入者達のみに明かされていたもので、一般大衆には公開されていなかったものである。 ノーシスは古代インド、中国、エジプト、ギリシャ、ローマの古代ノスティック達、インカ族、マヤ族、などの秘教学校で教えられていた。 歴史を通じ、様々な階級の宗教権威者達からの激しい迫害を受け、それら秘教学校の奥義参入者達は大衆の目前から姿を消して行った。 そのような時代でも、ノーシスの教義は失われなかった。 失われたのではなく秘密裏に教えられ実践されていたのである。 後に、迫害が下火になった時、ノーシスは再び姿を現した。

マスター・サマエル・アウン・ベオール:

例えば我々が生きている今日のように、人類が危機的な時代を向かえると、悟りや精神的解放を探し求める人々の助けとなる重要な教義を授けるために、地上には偉大な精神的指導者や神の化身達が現れる。 ブッダ、イエス、マホメット、クリシュナ、モーゼ、ケツァルコアトルはよく知られた神の化身達の例である。 今日、世界中のノーシスセンターで教えられているノーシスの教義は、あらゆる時代の哲学者、神秘家、帰依者達の教えを、完全で包括的な知識と教育体系に総括した、現代の神の化身、サマエル・アオン・ベオールの教義、修練、著作を源としている。 サマエル・アウン・ベオールにより公開されたノーシスには、世界中の過去と現代両方の、全ての主要な秘教体系の総括がある。 この教義はいかなる人でも、一転生期間内で意識を覚醒させ完全な自己実現に到達出来る、完全で高密度な手段を提供する。

四つの柱:
ノーシスの徹底的な学習は一つの教義にまとめられた、あらゆる文明に存在する知識の四分野の、または「四本の柱」の、調査と研究を含む。

芸術: 創造的なエネルギーを建設的な方向に導く形態の一つ。他の意識階層からの通信手段の一つである。 神聖な建築物(ピラミッド、寺院等)に、偉大な芸術家の絵画や彫刻に、そして霊感を受けて書かれた人間の精神を高揚させる音楽の中にも、至高の芸術表現を観る事が出来る。

科学: 宇宙の現象を調査研究する為に、それらの現象の深遠な意味を発見する為に、そして理論を実践と、知的体験を直接体験と結びつける為に用いられる。 ノーシス科学は我々の置かれた状況を変革するのに役立つ。

哲学: 現代の西洋のものとは異なった哲学の学習。 深遠な奥義哲学であり、哲学の秘教的起源の再発見となる。

神秘主義: 人間と神の関わり。 人が自身の真の存在目的を発見し、意識的に最終的解放に向けて働きかける手段も含まれる。 人間が神に近づくと神は人間に近づく、と言われている。

自己実現:

ノーシスの秘教的作業の主目的は、自己実現を達成することである。 ノーシスはいかなる人間でもそう望めば一転生期間内で自己実現に到達出来る完全な体系を提供する。 「自己実現」という言葉はしばしば誤解されてきたし、また様々な秘教体系によって異なって定義されている。 ノーシスにおける自己実現とは、途方もないものである。 それは、「人間の内に秘められた無限のあらゆる可能性を、完全にそして調和的に開花させる事」と定義される。 自己実現、「自分自身を認識する事」の重要さは「そなたの内に宝の中の宝が隠されている。人間よ、自分自身を知れ。そうすれば宇宙と神々を知るだろう。」という古代の格言に集約されている。

三つの要素:

ノーシスは、意識革命の三つの要素の実践を通してのみ自己実現に到達出来ると教える。

第1の要素: 我々の意識、美徳、内なる存在の潜在能力の覚醒。 覚醒や創造を扱うので、第1の要素は誕生と呼ばれる。

第2の要素: 私たち一人一人の内にあり、精神的進歩を妨げ、我々を真に充実した人生から遠ざける心理学的要因を発見し根絶する。 そのような不和要因の根絶による心理学的変化を扱うので、第2の要素は死と呼ばれる。

第3の要素: 自己実現に到達する方法を探し求め切望する人達に、この知識を提供する。 この過程は人類への自発的な犠牲的献身を伴うので、第3の要素は献身と呼ばれる。

全ての偉大なる宗教の創始者達、そしてこれらの指導者達の教義体系を実践して自己実現を達成した奥義参入者達は、全員、意識革命の三要素の作業を成功裏に修めたのである。 この三要素は、全てのノーシス教義の基盤となっている。


サマエル・アウン・ベオール−現代ノーシス運動の父

サマエル・アウン・ベオールは1916年南米のコロンビアに生まれ、生涯をノーシスの教義の実践と体験、そして普及に捧げた。 ノーシスのあらゆる側面について70冊以上の著作(瞑想、心理学、性錬金術、カバラ、アストラルトリップ、植物を使った治療等)を残した。 彼はメキシコにおいてノーシス協会を設立し、以後ノーシスは世界中に広まっていった。 ノーシスは哲学者の長年にわたる調査研究によりまとめられた哲学ではなく、むしろ人生のあり方そのものである。

サマエル・アウン・ベオールは、哲学者、人類学者、心理学者、そして神秘主義者であり、時の流れを通じ、灯りをともし、人々を自己認識の道に導く役割を担った、他の偉大な奥義参入者達(ピタゴラス、パラケルスス、カリオストロ伯爵、サンジェルマン伯爵等)と共に在る。 サマエル アウン ベオールの名は、崇高な普遍的叡智の保管者達であるクリシュナ、ブッダ、ナザレのイエス、ケッツアルコアトル、ヘルメス・トリスメギストスのような、神の化身達の傍らに記される。


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