☆ 実践 ドリーム・ヨガ ☆

あなたの24時間をフルに活用するための第2弾!!

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[ユニコーンを抱く婦人]

 <ドリーム・ヨガへの最初の一歩>

 優雅な貴婦人が描かれている左の絵をご覧ください。一見するとただの肖像画のように思われますが、婦人が手に抱いている灰色の小さな生き物には、長い一本の角が生えていて、どうもユニコーンの子供のようです。そのことによってこの絵は、見る人をより幻想的な世界へと連れていってくれます。

 この絵のシンボリックな美しさに引き込まれるように、あるいはこの世のものではない、ユニコーンの存在に注意が惹きつけられるよう、私達は現実の世界においても、身の回りのものを、何か目新しいものを見るように、意識を持って(魂の力で)生き生きと観察する能力を養っていく必要があります。

 この観察は外側の世界だけでなく、内側の世界である、私達の心理に対しても同様に、ある一定の純粋な注意力で行われるよう、常に気づき、心がける必要があります。

 このようにして、自分の内と外の世界を客観的に観察し続けることによって、意識の中心点を普段慣れ親しんでいる感情や思考、その他の「心理的我」から、もっと別の、自分を観察する純粋な「何か」へと移していくように努力します。そして、眠っている間も、夢の中でも、同様の意識を保つことができるようになれば、このワークはかなりの進歩を遂げたことになります。

 ノーシスの心理ワークである「自己観察」を、日々の瞑想を通じて深めていくことはとても重要です。瞑想は、単に肉体の疲労と生命エネルギーの回復、イメージトレーニングに役立つだけでなく、もっと高度な役割を持っています。それは、静寂なマインド(受容的な知覚器官)を培い、日常生活における「自己観察」「自己想起」のためのエネルギーとテクニックを養う、ということです。それによって、徐々に意識が研ぎ澄まされ、眠っている間も夢を見ず、宇宙のどの次元においても、より有意義な自覚を持つことができるようになるでしょう。

 ドリーム・ヨガの夢を回想するエクササイズ、あるいは夢の中で自分を思い起こすエクササイズは、もう一つの主要な心理ワークである「自己想起」(自分自身の真の本質と目的を思い出す) へと繋がっていきます。これらについては、次回の更新で取り上げる、マスター・サマエルの著作『人間の覚醒』に具体的に紹介されていますので、併せてご参照下さい。

 夢を思い出し、夢の中で意識を保つことは、ドリーム・ヨガの目的である直接的な神秘体験への第一歩となります。単なる好奇心や、眠りに入る前の決心や気合だけでは、夢の回顧やアストラル・トリップは容易には実現しません。また、ドリーム・ヨガにおいては、この道を経ずに先に進むことはできません。常日頃の訓練と心がけが第一に必用とされます。

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 <夢のキーワードを使ったプラクティス>

 朝目を覚ましたら、まず動かないようにします。意識の中で目が覚めたことに気がついたら、目を開けないで、じっとしています。もし、体を動かしたり、揺らしてしまったら、夢を思い出すことは出来なくなります。ですから、目を開ける前に、体を動かす前に昨夜の夢を思い出すことを試みます。

 夢をより素早く思い出していくための特別なマントラがあります。 RAOM-GAOM (*1 ラオーム---ガオーム) というものです。頭の中でこのマントラをずっと繰り返します。ドリーム・ヨガを練習する人にとって、このマントラは、ちょうど金の採掘者にとってのダイナマイトと同じ働きをします。私たちの無意識の扉を開いて夢を思い出させます。このマントラを数回繰り返すことによって、私たちの無意識層の中から溢れるように夢の記憶がはっきりと蘇ってくるでしょう。昨夜の夢の全てを思い出すことができるでしょう。

[ミント]

 RAOM、GAOMはペパーミントの木の精のマントラです。このマントラを唱えることによって、ペパーミントの精霊に「夢を思い出すのを助けて下さい」と頼んでいることになります。このやり方でもって、昨夜夢の中で私たちの心理的な欠点「我」がどんな形で現れたか、ということを思い出していくことができます。その後、私たちは起きあがって座り、「我の死」の瞑想 (*2) を通して、昨日の夢の中に現れた、私たちの心理的な欠点を取り除いていく作業を行います。

 夢を思い出すためのある特別な方法があります。夜見た夢全体をとても短い文章に要約する、というものです。

 例えば昨夜、山の頂上にいるという夢を見たとします。頂上に立っていると、私の我 (エゴ) が空を飛んで私の方に向かってきました。とても大きな鷲が飛んできて、私のそばに止まりました。その鷲の背中に乗って、首にしがみついていたら、鷲は羽ばたいて森の上を飛んでいきました。鷲が飛んでいくに従って、私の体は次第に溶けていって、その鷲と一体になってしまいました。私はいまやその鷲そのものです。すべての物を鷲の目を通して見ることができます。鷲の翼を持って飛ぶことができます・・・というような夢を見たとします。

 それらの夢を7語以下の短い文章に要約します。みなさんに是非お勧めしたいこととして、夢日誌、あるいは瞑想日記というのをつけていただきたいと思います。そしてその日記に自分の夢全部をしっかり書くようにします。その日記の下に、夢を要約した言葉を3語から7語ぐらいの文章にまとめることができます。

 さて先ほどお話しした夢についてですが、これはこんなふうに要約できます。「鷲が森の上を飛んだ」。きっちりした文章ではなく、短い必要な言葉を連ねていきます。何故そういう風に短く要約するのかといいますと、それは昨日見た夢かもしれないし、1週間前の夢かもしれないからです。それを1週間後、あるいは1日後の今日取り上げ、その夢の中における心理的な欠点について瞑想するからです。

 「我の死」の瞑想において、前に見た夢の中にもう1回入って行く時、眠気を催している状態で、あるいはマインドの静寂の中で、この鍵となる言葉を用います。自分でそれを唱えることによって、例えばこの場合「鷲が森の上を飛んだ!」と唱えることによって、その夢にもう1度入っていきます。そして、眠気を催している時、あるいはマインドの静寂の中で、その言葉を数回繰り返すことによって、私はこの夢の中に完全に戻っていきます。そして再び鷲になって空を飛ぶことができるようになります。

 決してその夢をもう1度傍観者として見るのではなく、再び夢を体験します。その時と全く同じ状況を再体験する、ということを理解してください。そうすることによって、今度は完全にその夢を観察し、より深く探っていくということが容易にできるようになります。その夢を理解することにより、自分の心理的な欠点を洗っていくことができます。

                                            ノーシス特別講座「我の死」からの抜粋

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 *1 マントラ RA0M---GAOM : 声に出して発音する場合には、巻き舌のR音はーターのような、電話のベルのような振動を伴う音です。Oは長く伸ばし、Mは鼻に抜ける音です。GAはいびきをかくときの絞り出すような音にアの音を重ねあわせ長く伸ばします。

 *2 「我 (エゴ) の死」のための瞑想 : 本ホームページで紹介している瞑想コーナーの瞑想を発展させたものです。


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